酒井 三良  Saburo SAKAI  1897~1969

明治30年(1897)2月16日福島県大沼郡生まれ。本名は三郎。はじめ梧水、のち三良子と号す。明治44年上京、同郷の画家・坂内青嵐に師事、日本美術院第3回習作展に入選する。大正8年「福陽美術会」の結成に参加、第2回国画創作協会展で初入選。大正10年小川芋銭と出会う。芋銭のすすめで再興第8回院展に出品し、初入選。大正13年日本美術院同人。以後、院展に出品する。昭和13年私淑した芋銭を失い、以後奥村土牛らと京都・奈良・熊野・南紀・木曾・東北と足繁く旅行。戦後は横山大観のすすめで、昭和21年茨城県五浦の大観別荘に移り、院展に出品を続ける。昭和33年日本美術院評議員、昭和36年日本美術院監事となり、昭和37年第47回院展に『かまくら』で文部大臣賞を受賞。潤いを帯びた筆致と平明な面とで構成し、淡彩と墨彩の素直な表現で、清新な詩情性のある農村の生活や自然を描いき続けた。昭和44年(1969)6月8日東京で歿、72歳。

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